退職代行で有給は取れる?有給消化・拒否された場合・残日数がわからないときの確認方法
退職代行を使いたいけれど、有給が残っている。会社とは話したくない。でも、有給を捨てて辞めるのはもったいない。
この不安はかなり現実的です。有給が10日、20日残っていれば、月給によっては退職後の生活費に大きく影響します。
結論から言うと、有給が付与されていて残日数があるなら、退職代行を使う場合でも有給消化を希望することはできます。ただし、会社と「交渉」できる範囲は、退職代行の運営元によって変わります。
この記事では、退職代行で有給を使いたい人向けに、有給消化の基本、残日数の調べ方、会社に拒否された場合、申込前に伝えることを整理します。
この記事の結論
- 退職代行を使っても、有給が残っていれば有給消化を希望できる
- 有給は、原則として労働者が時季を指定して取得する権利
- 会社が拒否してきた場合、その場で「有給なしでいい」と返事しない
- 有給消化の交渉まで必要なら、民間業者より労働組合系・弁護士系を確認する
- 残日数が不明でも、給与明細、勤怠システム、人事確認、相談時の聞き取りで進められる
- 未払い残業代、損害賠償、慰謝料、訴訟まで絡むなら弁護士相談も検討する
有給は「辞める人へのプレゼント」ではなく、労働基準法で定められた労働者の権利です。会社と直接話せない状態でも、有給をあきらめる前に、退職代行へ残日数と希望を伝えるのが先です。
退職代行で有給は取れる?
取れる可能性があります。正確には、退職代行を使うかどうかではなく、本人に有給休暇が付与されていて、未消化の日数が残っているかで決まります。
厚生労働省は、半年間継続して雇用され、全労働日の8割以上を出勤している労働者には、10日の年次有給休暇を取得できると説明しています。勤続年数が増えると付与日数も増え、一般の労働者では最大20日まで増えます。
| 状況 | 有給消化の考え方 |
|---|---|
| 有給が残っている | 退職日までの期間で消化を希望できる |
| 残日数が不明 | まず「不明」として相談し、給与明細や勤怠で確認する |
| 入社6か月未満 | まだ有給が付与されていない可能性がある |
| 週の勤務日数が少ない | パート・アルバイトでも条件を満たせば比例付与される |
| 会社が拒否している | 直接合意せず、対応範囲を確認する |
退職代行を使うと有給が消える、ということはありません。問題は、有給を会社へどう伝えるか、拒否されたときに誰がどこまで対応できるかです。
すでに有給全般を調べたい場合は、有給を全部消化して辞める方法も参考になります。この記事では、退職代行を使う場合に絞って整理します。
有給を使うと実際いくら残る?
有給は休んでも賃金が支払われる日です。つまり、有給を捨てるか消化するかで、退職前後に受け取れる金額が変わる可能性があります。
概算では、次のように考えるとイメージしやすいです。
有給1日分の目安 = 月給 ÷ 1か月の所定労働日数
有給消化で残る金額の目安 = 有給1日分 × 残有給日数
たとえば、月給20万円、所定労働日数21日、有給10日なら、概算は次のとおりです。
200,000円 ÷ 21日 = 約9,500円
約9,500円 × 10日 = 約95,000円
月給25万円で有給20日なら、概算では20万円を超えることもあります。
月給20万円で有給10日なら、概算で約9万円から10万円分になることがある。
月給25万円で有給20日なら、概算で20万円超の給与に近い意味を持つことがある。
実際の計算方法は会社の賃金規程や平均賃金、通常賃金の扱いで変わる。
有給を買い取ってもらう話と、有給を消化して退職日まで在籍する話は分けて考える。
この金額はあくまで目安です。実際の支払いは会社の就業規則や給与計算方法で変わります。
ただ、有給が10日以上残っているなら、退職代行費用より大きい金額になる可能性があります。だからこそ、申込前に「有給消化も希望したい」と必ず伝えてください。
民間・労働組合・弁護士で何が違う?
退職代行で有給を使いたいときに一番大事なのは、退職代行のタイプです。
| タイプ | 有給についてできることの目安 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 民間業者 | 本人の希望を伝える中心 | 会社が素直に応じそうな人 |
| 労働組合系 | 労働関係事項として相談しやすい | 有給、退職日、退職書類まで不安な人 |
| 弁護士系 | 法的請求や紛争対応まで相談しやすい | 未払い残業代、慰謝料、損害賠償が絡む人 |
東京弁護士会は、退職に関係して発生する法律的な問題として、残業代、退職金、残っている有給休暇取得などを挙げ、弁護士等でない者が本人に代わって法律的な問題について会社と話し合うと非弁行為になる可能性があると説明しています。
つまり、「有給を使いたい」と伝えるだけで済むのか、会社が拒否していて交渉が必要なのかで、選ぶべき退職代行が変わるということです。
退職代行ガーディアンは、公式ページで東京労働経済組合が運営し、退職や労働条件などの労働関係事項を支援する位置づけだと説明されています。一方で、訴訟代理や法的文書の作成など法律事務が必要な場合は、本人が弁護士に依頼する必要があるとも明記されています。
有給残日数がわからないときの調べ方
有給が残っているか不明でも、退職代行に相談できます。最初から正確な日数を出せなくても、「たぶん残っている」「まったく不明」と伝えれば大丈夫です。
確認しやすい場所は次のとおりです。
- 給与明細
- 勤怠システム
- 社内アプリ
- 人事労務システム
- 雇用契約書
- 就業規則
- 会社の有給管理画面
- 人事や総務からの案内メール
厚生労働省の働き方改革特設サイトでは、使用者は労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存しなければならないと説明されています。
そのため、自分の画面で見られない場合でも、会社側では管理している可能性があります。退職代行へは、次のように伝えると進みやすいです。
有給が残っていると思いますが、正確な日数はわかりません。
給与明細には表示がありません。
会社へ残日数の確認と、有給消化の希望を伝えてほしいです。
残日数がわからないから有給をあきらめる、という順番にしないでください。わからないなら、わからないまま相談して確認手順を決めるほうが安全です。
会社に有給を拒否されたらどうする?
会社から「退職する人に有給は使わせない」「引き継ぎが終わるまで有給は無理」と言われることがあります。
ただし、厚生労働省は、年次有給休暇は原則として利用目的を問わず取得でき、会社が別の時季に変更できるのは、正常な事業運営を妨げるときに限られると説明しています。また、有給を取得した労働者に対して不利益な取扱いをしてはいけないとも説明しています。
退職時は、退職日までの期間が限られるため、会社が「別の日に取って」と言っても現実的な変更先がないことがあります。
会社に拒否された場合は、次の順で対応してください。
- 電話でその場回答しない
- 「退職代行へ確認します」とだけ返す
- 拒否された言葉をメモする
- LINEやメールならスクリーンショットを残す
- 有給残日数、退職希望日、最終出社希望日を整理する
- 労働組合系・弁護士系で対応できる範囲を確認する
辞める人に有給は使わせないと言われた。
引き継ぎが終わるまで有給は認めないと言われた。
有給を使うなら退職日をずらすと言われた。
その場で同意せず、発言内容と日時をメモして相談画面に送る。
有給残、最終出社希望日、退職希望日を一緒に伝える。
会社に強く言われた直後ほど、自分だけで返事をしないことが大事です。一度「有給はいりません」と返してしまうと、あとから戻すのが面倒になります。
新卒・試用期間中は有給がないこともある
新卒や試用期間中の人は、有給がまだ付与されていないことがあります。
一般的には、入社から6か月継続勤務し、全労働日の8割以上を出勤していると10日付与されます。入社して数日、数週間、数か月の段階では、まだ有給がない可能性があります。
| 状況 | 確認ポイント |
|---|---|
| 入社して数日 | 有給は未付与の可能性が高い |
| 入社して3か月 | 会社独自の前倒し付与があるか確認 |
| 入社して6か月以上 | 付与条件を満たしているか確認 |
| 試用期間中 | 試用期間でも労働者なら条件を満たせば対象になり得る |
| アルバイト | 勤務日数に応じて比例付与の可能性がある |
有給がない場合は、「有給で出社しない」のではなく、欠勤扱い、退職日調整、会社との合意で進めることになります。
新卒で退職代行を使う場合は、退職代行は新卒でも使える?でも、親連絡や研修費、第二新卒転職の注意点を整理しています。
有給がないから退職代行を使えない、ということではありません。ただし、給料が発生する日と欠勤扱いになる日を分けて確認する必要があります。
退職代行に申し込む前に伝えること
有給消化を希望するなら、申込前の相談で次を送ってください。
- 雇用形態
- 入社日
- 最終出社希望日
- 退職希望日
- 有給残日数
- 有給残日数が不明なら「不明」
- 給与締め日と給料日
- 会社から有給を拒否されたことがあるか
- 明日以降のシフトや出社予定
- 貸与物の返却予定
- 退職届を郵送できるか
そのまま送るなら、次の文面で十分です。
退職代行の利用を検討しています。
会社と直接話さずに退職したいです。
有給が残っている可能性があるため、
退職日まで有給消化を希望したいです。
正確な残日数は不明です。
会社へ有給残日数の確認と、有給消化の希望を伝えてもらえるか知りたいです。
有給を使いたい人は、料金を払う前に「有給消化の希望を会社へ伝えてもらえるか」「拒否された場合どこまで対応できるか」を確認してください。
退職代行を使う前に準備するものは、退職代行を使う前に準備するものチェックリストでも詳しく整理しています。
退職届も先に用意しておく
退職代行を使っても、退職届は本人が作成して郵送することがあります。会社から「退職届を送ってください」と言われたときに止まらないよう、先に作っておくと楽です。
退職届には、通常は有給消化の細かい交渉文まで書き込む必要はありません。退職日と退職意思を明確にし、有給消化の希望は退職代行への相談内容として整理するのが扱いやすいです。
退職届PDFメーカーなら、スマホやPCから退職届を作成できます。会社連絡後に郵送が必要になりそうなら、先にPDFで用意しておきましょう。
有給消化を希望する場合でも、退職届・貸与物返却・会社書類の受け取りは本人側に作業が残ることがあります。ここを先に把握しておくと、退職後の連絡を減らしやすくなります。
まとめ
退職代行を使っても、有給が残っていれば有給消化を希望できます。大事なのは、退職代行を使うかどうかではなく、有給が付与されているか、何日残っているか、会社が拒否した場合に誰がどこまで対応できるかです。
有給が10日、20日残っているなら、金額としても無視できません。月給20万円で10日なら概算で約9万円から10万円、月給25万円で20日なら20万円を超える可能性もあります。
ただし、会社と有給や退職日の交渉が必要になる場合は、民間業者では足りないことがあります。有給を捨てたくないなら、申込前に「有給消化の希望を会社へ伝えてもらえるか」「拒否されたらどこまで対応できるか」を必ず確認してください。
参考にした情報源
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